2021年10月31日日曜日
バニラ
ヘドロ
2021年10月27日水曜日
手遅れ
2021年10月25日月曜日
10円
答え付き詩について
2021年10月20日水曜日
2021年10月14日木曜日
ちくわ
今日はちくわが安い
真夜中 真っ暗で何も見えない
小腹を空かした少年は燻っている
冷蔵庫から取り出した
ちくわを握りしめて
そらを見上げるだけ
今日はちくわが安い
真夜中 眼下には摩天楼
行き場のない少女は憂いている
大して好きでもない
ちくわを齧って
そらを見上げるだけ
今日はちくわが安い
ちくわ
答え
女の子を深く想う男の子。
男の子は、明日こそ明日こそはと思うばかり。
そんな中、女の子は好きでもない人と夜を過ごしている。
恋愛の不条理さを詠ったものです。
そらは部屋の天井。
ちくわは男性器。
ちくわを連発しているのは無情感。
2021年10月13日水曜日
いぬ。
とある日のことだ。
私はいつものように犬の散歩へ出かける。
犬の名前は「いぬ」
それはまるで人に「ひとし」と名付けるようなものだ。
いつもと代わり映えのしない道。
本当はこの10年の間に建物が生えたり抜けたりしてちゃんと新陳代謝している。
だが毎日みているとそれは変わらない日常である。
我が愛する愛犬はシーズー犬でただでさえ力が弱いのに、10歳にもなるとますます弱い。
もはや、綱の先に何もつけていないようだ。
この広い公園を綱をもって歩く老人。
それじゃただの耄碌じじいじゃないか。
頼むぞいぬ。
もう少しばかり私をボケさせないでくれ。
そんなことを思っていると、手綱が意思をもったように暴れだした。
この感触は知っている。
どこぞの可愛い犬を見つけたか。
お気に入りの小便スポットに差し掛かったかのどちらかだ。
まったくお前もいい年だというのに可愛い子に尻尾を振りまくなんて。
私もいぬだったらどんなに良かったことだろうか
可愛い犬を連れ歩く人は大概、可愛い娘が多くて私も尻尾を振りまくどころか引きちぎって配ってやりたいぐらいだ。
ああ、この歳になると女の大概は可愛い娘なんだ。気にしないでくれ。
暴れる手綱に身を委ねて運ばれる。
この時だけだが、これじゃどっちが散歩してるんだか分かったもんじゃないな。
今度はどんな可愛い娘に合わせてくれるんだ。
しかし、辺りを見渡せどもそんなものはない。
小便ならさっき済ませたはずだ。
一体どこへ向かってるんだこのいぬは。
おい、そっちには何もないぞ。
何、慌ててやがるんだ。
引きちぎれんばかりの手綱に私の手の方がもたないと悟ったその瞬間だった。
いぬは穴に飛び込んだのだ。
その穴は大きめのマンホールくらいの穴だ。
悪趣味な野郎が持って行ったのか
とんでもないことをしてくれた。
私はいぬが余りの勢いでひっぱるものだから。
犬と一緒にその穴に落ちてしまったのだ。
わあああああ落ちるうううううう
どうなってんだこれはあああああ
たすけてくれええええええええええ
つんざくような悲鳴に気を取られた。
声が聞こえる。
いぬだ。
いぬが喋っている。
下から巻き上がる風に耐えながら目を凝らしていぬをみた。
たすけてくれえええええ
今日は早く帰ってひるねしたかったのにいいいい
くそじじいがとろとろあるいてやがるからああああ
なんだお前。
同じこと考えてたんだな。
これからも仲良くやっていけそうだ。
2021年10月11日月曜日
布きれ
2021年10月10日日曜日
2021年10月9日土曜日
言葉に溺れる
真夜中に詩なんてものを考えていると混乱する
ここが現実の世界なのか空想の世界なのかくっきり
良き本は時間をかけてじっくり読むに限る
時間を書けてゆっくり煮だすと渋い茶が出来る2021年10月8日金曜日
砂を噛む
砂ぎもじゃりじゃり
孤独なビーナスなんて小洒落てる
小生意気にじゃこを咥えて美人ずら
邪険にすんなよ
こちとら砂で髪がざらざらなんじゃ
ドレスなんざ着たこともない
涼しい顔のビーナス
これが私の素なんて冗談じゃない
突き動かされた月
月が溶け出し水に浮かぶ
あまりに可哀そうだったので、ひとすくい
手から月が零れ落ちていく
せっかく天に帰れるというのに
そんなところにへばりつくなんて
変わった月だと思う
そこは狭くないかい
空の上は広いというのに
なんだか腹が立ってきたので
その水を飲みほしてやった
月はもうそこにはいない
2021年10月7日木曜日
2021年10月6日水曜日
2021年10月5日火曜日
2021年10月4日月曜日
2021年10月3日日曜日
時間
誘い
呼んでいるのか私を
ここから連れ出そうとしているか
確かに過去にも未来にも後悔はない
しかし、ここを出る道理がない
探せばまだやれることはあるはずだ
あるはずなのに
そのいざないに抗うことができない
どうりで今日は眠いはずだ
2021年10月2日土曜日
ティーバッグ
穴の開いたティーバッグから茶葉が漏れ出している
元々同じ場所にいるのに一つ壁を越えれば怪訝に扱われる
僕だってそっち側に行きたいよ
なんでこんな壁に閉じ込められていなきゃならないんだ
僕の存在、鬱陶しさ、香り、全て混ぜ合わせて飲み干してほしい
入口
トラックに轢かれた
居眠り運転じゃない
わざと飛び込んだんだ
金が目的なわけでもない
もうこの世に未練が無くなったのだ
不思議と痛みは感じない
これはもう二度とは戻ってこれないというサインなのか
こういう時は走馬灯を見るって聞いてたんだけどな
思い出したいこと何てないもんな
さっきから眩い光だけが見えている
天国への入り口ってやつか
いや、最後に悪いことしたから地獄かな
その時、光の中に人影が見えた
その姿、神と呼ばずに何と呼ぼうか
生誕
もう駄目だ
この世に何の未練もない
あいつらは人間じゃない
きっとオークか何かだ
まるで俺の話を聞いちゃいない
こんな魔物が蔓延る世界は腐ってる
腐ったものは捨てるべきだ
もうこんな世界はいらない
焼き尽くそう何もかも
逃げる
息を呑む会場を目の前にしたならば、消え去ることも容易であろう。ピーマンの空洞にいる私をどうか種明かししないでもらいたい。
-
煮えたぎる溶岩に一雫の涙を垂らす。涙は跡形もなく消え去り、何事も無かったかのように燃え盛る。ならばこの右腕を沈めてくれようか。融解する右腕を見送れば歪んだ景色を元に戻すことができるのではないか。いや、そんなことはない。そんなことはないんだ。
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同じ顔で同じ髪型して挙句の果てに布で半分隠してもう誰が誰だか分からないねそうなるともは中身で見分けるしかないんだけど、案外人の中身てそんなに種類ないよね。人の性格なんて片手で数えられるほどしかないと思うわ。じゃあ人ってなにさ。それは動く壁みたいなもんだね障害物にしかならないなんて...
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僕は緑。 私は黄色。 色を付けるなんてずるいぞ。君は黄だ。 黄だけだと、木なのか気なのか分からないわ。 わかった。じゃあ僕も色をつけるね緑色。 それだと、やけに名前が長くなるじゃないの。 「みどり」と「きいろ」同じ三文字でちょうどいいじゃない。 なんか納得いかない。 たしかに...