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2021年11月20日土曜日

手当

 穴を見た。生きているのも不思議なくらいだ。血を見た。こんな量の血は初めてだ。よくもまぁ小さな体に詰め込んだもんだ。だけど、不思議と痛くない。辛くもない。むしろ心地いいくらいだ。人の手はこんなにも人を救うのだな。ありがとうその手を差し向けた君へ。

2021年11月3日水曜日

手比べ

枯れ草に

重ねる手のひら

シワの数は似てきたけれど

お前はもう枯れている

私はまだまだ生きている

また手比べしよう

2021年10月20日水曜日

ティータイム

紅茶と時間は双子のようだ

ゆっくりと飲めば時は減速し

一気に飲み干せば時は加速する

1秒でもこの時間を長く味わいたいのに

緊張するほど喉が乾いて仕方ない

2021年10月14日木曜日

ちくわ


今日はちくわが安い

真夜中 真っ暗で何も見えない

小腹を空かした少年は燻っている

冷蔵庫から取り出した

ちくわを握りしめて

そらを見上げるだけ


今日はちくわが安い

真夜中 眼下には摩天楼

行き場のない少女は憂いている

大して好きでもない

ちくわを齧って

そらを見上げるだけ


今日はちくわが安い

ちくわ


答え

女の子を深く想う男の子。

男の子は、明日こそ明日こそはと思うばかり。

そんな中、女の子は好きでもない人と夜を過ごしている。

恋愛の不条理さを詠ったものです。

そらは部屋の天井。

ちくわは男性器。

ちくわを連発しているのは無情感。

2021年10月13日水曜日

たい

いたいいたいのたい いたいいたいのたい えびでたいをつりたい たいがつれたらさしみにしたい いたいいたいのたい たいしてやったことないけど たいがい、たいらげるよ

ちょこれいと

もらった大事なちょこれいと

ひとかじり

ふたかじり

最後のひとかけこんくりいと

食べられた

2021年10月11日月曜日

天地無用

深い穴に落ちて

落ちて落ちて

落ちて落ちて

落ち続けていたら

上と下がひっくり返って

空飛んでるみたいになった

2021年10月8日金曜日

突き動かされた月

 月が溶け出し水に浮かぶ

あまりに可哀そうだったので、ひとすくい

手から月が零れ落ちていく

せっかく天に帰れるというのに

そんなところにへばりつくなんて

変わった月だと思う

そこは狭くないかい

空の上は広いというのに

なんだか腹が立ってきたので

その水を飲みほしてやった

月はもうそこにはいない

2021年10月7日木曜日

誰も

時計を分解したら 

それが何の歯車か分かりますか

パソコンをぶっ壊したら   

それが何の部品だったか分かりますか

人を粉々にしたら

それが誰だか分かりますか

誰にも分からない

僕も

誰も

だからこそ前に進めるときもある

2021年10月5日火曜日

チーズバーガー

愛、それは迸る血潮

愛、それは芳醇な香り

愛、それは抑えられない肉欲

愛、全てを挟み込んで縁とする


2021年10月2日土曜日

ティーバッグ

穴の開いたティーバッグから茶葉が漏れ出している

元々同じ場所にいるのに一つ壁を越えれば怪訝に扱われる

僕だってそっち側に行きたいよ

なんでこんな壁に閉じ込められていなきゃならないんだ

僕の存在、鬱陶しさ、香り、全て混ぜ合わせて飲み干してほしい


車はガソリンで動く

 

電車は電気で動く

 

水車は水で回る

 

人は?

 

人間は何で動くのか

2021年9月30日木曜日

台風一家

雨が泣いている

それ見て風ちゃんおろおろ

太陽さん早々とお手上げ

雲さんとりあえず、もっくもく

お月様、雲の後ろで大奮闘

うっすら聞こえる星君たちの声援

雨が泣いている

こりゃしばらく泣き止まなそう


2021年9月28日火曜日

積み木

積み上げては崩して

崩しては積み上げる


一つ積み上げて

それをひたすら磨く


誰よりも高く

高く積み上げる


積みあがったのを見て

焦って積み始める


何も積まない

積む気もない


好きにすればいい

理由はいらない

全てが正しい

だから積み木は面白い


 怒鳴り散らす大人も駄々をこねる子供も同じ生き物

透明人間

私が見えているのか

見えているなら話を聞いてくれ


私が見えているのか

見えているなら目を見てくれ


私が見えているのか

見えているならこっちに来てくれ


私が見えているのか

見えているならそっと抱きしめてくれ


私が見えているのか

見えているなら溢れ出る感謝を伝えたい

時には

何も考えずまったりと、窓から吹き込む風に吹かれて前髪が揺れる

ゆりかごに揺られているかのような心地良さ

この何もない時間が人生を有意義にさせてくれる

戦い

赤き血潮を咳払いして

燃え盛る炎を口に含む

身体が火照って汗が噴き出す

さながら焼却炉のよう

明日は地獄の業火に焼かれることだろう

2021年9月26日日曜日

昼夜

 好きなものと嫌いなものは直視しづらいものだ

それ故に、昼と夜が分かれたのだろうか

2021年9月21日火曜日

とってぃ

 取っ手が外れたよ

今日は僕にとって大切な日

とっても良いことがあるんだ

あ、醤油とって

やっぱり目玉焼きは醤油に限るね

少し踊ってみようかな

それすらも逆手にとってダンス

看取ってね

僕の生き様を

逃げる

  息を呑む会場を目の前にしたならば、消え去ることも容易であろう。ピーマンの空洞にいる私をどうか種明かししないでもらいたい。