1本のように見えてな
何本の細い糸が連なってるんよ
糸1本きれたってことは
無数の手を離したっちゅうこっちゃ
大事にせんとな
置いてかれっぞ
無数の手のひらにバイバイされっぞ
掴んだ手は離したらいかんわ
まずはそこからだわな
泣いていたんだろうか
画面越しの君の目
泣いていたんだろうか
スピーカー越しの君の声
泣いていたんだろうか
楽しそうに笑うその声
泣いていたんだろうか
誰にも見えないその心で
泣いていたんだろうか
いつもと変わらぬ君
うちはカップラーメンしかやってないんです
店の前に行列を並べた店主が言う
なんでかって
お湯を注いで三分だからね
そんな簡単な話はないよ
かっちり三分待てば出来上がり
それでお終いさ
時間もかからないからすぐ仕事に戻れる
だからうちの店は人気なんだ
あ、これうちの昼飯の話ね
やりきった
今まさにそう思えた
今まで何度も苦行を乗り越えてきたが
今度ばかりはやりきった
これ以上はもう無い
あとは醜く朽ち果てるのみだ
しかし、何なんだこの光は
何度手に掴んですり潰しても
またどこかで輝きだす
かと言って放置すれば別のものが煌めく
もういいのだ
もう沢山だ
いい加減にしてくれ
眩しくて敵わないんだ
しかし、分かったこともある
街ゆく人が輝いて見えるか
それとも薄暗く見えるか
それは手元に灯った光の加減
今夜は明かりをつけて眠ろうか
息を呑む会場を目の前にしたならば、消え去ることも容易であろう。ピーマンの空洞にいる私をどうか種明かししないでもらいたい。