月が溶け出し水に浮かぶ
あまりに可哀そうだったので、ひとすくい
手から月が零れ落ちていく
せっかく天に帰れるというのに
そんなところにへばりつくなんて
変わった月だと思う
そこは狭くないかい
空の上は広いというのに
なんだか腹が立ってきたので
その水を飲みほしてやった
月はもうそこにはいない
息を呑む会場を目の前にしたならば、消え去ることも容易であろう。ピーマンの空洞にいる私をどうか種明かししないでもらいたい。
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