2021年8月30日月曜日

緑と黄いろ。

 僕は緑。

私は黄色。

色を付けるなんてずるいぞ。君は黄だ。

黄だけだと、木なのか気なのか分からないわ。

わかった。じゃあ僕も色をつけるね緑色。

それだと、やけに名前が長くなるじゃないの。

「みどり」と「きいろ」同じ三文字でちょうどいいじゃない。

なんか納得いかない。

たしかに長さは同じだけど、不公平な気がする。

不公平な黄ですって?

そんなことは言ってない。

まるでキツネにつままれたようだ。

キツネて器用な動物なのね。

実際にはつまむことなんて出来ないだろう。

やろうと思っても、肉球がふにふにするだけだ。

だからキツネは黄色なんだね。

それもどうだろうか。

たしかに黄色くも見えなくはないが、冷静によく見てみると茶色な気がする。

野生のキツネは間違いなく茶色い。いろいろと。

そもそも茶色てお茶の色なわけだけど。

日本的にいうとお茶の色は緑色だよね。

だからつまりキツネは緑色でもあるっていうことだ。

つまり、私たちは黄色でもあるし、緑色でもあるのね。

そう、最初から争う必要なんてなかったんだ。

僕たちは一心同体なんだ。

それはちょっとキモイかな。

あ、それはごめん。

まさかこの手の話で、キモイという発想がでてくるとは思わなかったよ。

私もびっくりしたけど、これが現実みたいなの。

なんか浮足だってると足がすくわれるのよ。そういうものなの。

浮いてる足をすくうなんて、神業だよね。

これには上げ足を取られましたわ。

足を揚げたら熱いから、エビフライにしておきなよ。

それもそうだね。

エビフライの尻尾は美味しいね。

私は、ちょっと苦手だわ。

そうなのかい。

でも、よく見てみなよ。この揚げたてのエビフライを。

さくさくなのは見て取れるけど、あとは分からないわ。

茶色なのさ。

あ。

つまり私たちと同じてことなのね。

そう僕たちはエビフライ。

タルタルソースをつけていただくのさ。

油の上に油をかけて食べる。これが最高に美味しい。

油の上に油をかけてもそれは油じゃないかしら。

それはまさに、火に油てやつだね。

アブラカタブラともいうね。

つまり、魔法のように美味しいんだよ。

私はエビフライについてはもう十分話したと思っているわ。

次は、カキフライについて話しましょう。

カキフライね。

あれは美味しい。さくっとあがった衣にとろとろのカキがとてもジューシーで、ファンシーなんだ。

わかるわ。それには同意せざるを得ないわ。

それにちょっと良く見てごらんよ。

なにかしら、ただのカキフライにしか見えないけど。

ほらよく目を凝らしてみるんだ。

あ。

茶色だ。

つまり私たちはカキフライでもあったのね。

そう、僕たちはカキフライ。

ところで君は誰だい。

私は黄色のきーちゃんよ。

僕は緑のたぬきだよ。

このお話に意味はあるのかい。

それを求めたらこれらはお話しにすらならないわ。

意味のない話に意味を求めたら、お話はお話でなくなるの。

考えてはだめよ。

全身で感じるの。

そしてあなたはこう思うの。

揚げ物たべたい。

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逃げる

  息を呑む会場を目の前にしたならば、消え去ることも容易であろう。ピーマンの空洞にいる私をどうか種明かししないでもらいたい。